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営業時間の常識

数年前、東京にある創業20年のパン屋さんのコンサルティングをしました。クライアントからの要望は、ただ一つ。「お客様に、できたてのパンを提供したい」。

営業時間は、8時から20時。場所は、都心から電車1時間と、さらにバス10分、40年前に建てられた公営団地の一角にあります。周辺住民の朝は早く、都心への通勤のため、朝5時半から、バスや徒歩で、駅への移動を始め、乗降客ピークは7時前。その後、お店が開店する時間帯には、店の前は、幼稚園や保育園送迎のお母さんや、朝散歩のご年配者で賑わいます。

直近の10年くらいは、単身世帯、つまり大学生や若手会社員が増加していました。

「焼きたて」をこだわりにしていましたが、午前中に購入して行くお客様には、早朝に焼けたパンを提供しており、夕方は、焼きたてパンを購入されますが、食すのは翌朝のため、やはり「焼きたて」は食べてもらっていません。

さて、みなさんなら、このパン屋さんの要望に対して、どんな提案をするでしょうか?

私は、営業時間の変更を提案し、早朝5時から15時までの営業を平日限定で試してみました。店では過去に7時開店で営業していた時期もあり、早朝営業は集客効果がない、と敬遠していました。しかし上述のとおり7時では、すでに周辺住民の朝食や活動ピークを過ぎていることを説明しました。そして、出勤時間のビジネスマンを獲得するために、早朝8時までホットコーヒーをサービスすることにしました。

結果は、このお店が今もこの時間で営業を続けていることから、成功、と見て良いのでしょう。

さて、旅館・ホテル業も同じではないでしょうか。あるビジネスホテルが、夜行バスで早朝移動してくるお客様を対象に、早朝滞在(5時から11時)として、通常宿泊費の半額で提供していました。仮眠もでき、さらに温泉大浴場も使えます。夜行バスを降りた客の何人かは、吸い込まれるようにホテルへ入って行きました。

自施設の魅力と、それを目的に来て下さるお客様の行動パターンを考えて、営業時間やサービス時間を見直すことは、ときとして、最も効果的で、もっともお金のかからない対策の一つになるのです。
(坂本 洋)

 

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