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アパレル企業の創業支援

1.最近の開業率と廃業率
 最新版の中小企業白書によりますと、わが国の2011年の有雇用事業所数による開業率は4.5%、廃業率は3.9%となっています。2009年に開廃業率ともに4.7%と拮抗しましたが、2010年、2011年と開業率が廃業率を上回っています。ただし、同時期のアメリカ、イギリスでは開業率、廃業率ともに10%前後を維持しています。

2.アパレル産業の創業
 総務省の統計で見る業種別の開廃業率(2006~2009年)では、製造業、卸・小売業、サービス業全ての廃業率が高く、開業率を上回っています。さらにアパレル関係の創業は非常に少なく感じます。もちろん地域特性もありますが、全体に減少傾向です。これは7年前なのですが、たまたま担当した区の創業相談で、元繊維商社勤務の方にお会いしました。中国でのOEM生産の担当が長く、勤務先が業績不振で吸収合併されるため、経験を活かして独立、創業したいというご希望でした。

3.創業時のビジネスモデル
柴原先生1  当時、輸入浸透率(輸入/国内消費)は、数量ベースで90%、金額ベースで50%まで高まっていました 。輸入相手国は、圧倒的に中国が主力、高いシェアで日本市場を席巻しています。創業者の強みは、北京に2年間留学した語学力で、国内アパレル企業から生産を受託、中国の縫製工場で生産、これを納品するというOEM業態です。

 

 

 

 (上海市、南京東路)

4.その後の展開
柴原先生1 創業後数年は好調だったのですが、中国国内での人件費の上昇、為替の変動などの要因から業績が悪化します。さらに、リーマンショック、東北大震災等の影響で日本の国内市場は冷え込み、扱い商品の婦人子供服市場は、1990年の約9兆円から2009年には約5兆6,000億円まで縮小します。その後2012年までは、横ばい傾向です。
 2010年の時点で自社のビジネスモデルが崩壊、国内での受注価格と中国での生産価格が逆転します。中国で内需振興政策への転換が言われだしたため、中国の内需に注目、製造卸として上海の商業ビルに約20坪の拠点を構え営業を開始します。結論から言いますとこれは無理がありました。無名のファクトリーブランドの品揃えでは商売になりません。2012年、上海を撤退しています。
(上海市、アパレル素材百貨センター)

5.国内での再出発
 赤字決算が続き資金繰りも厳しい中、円滑化法に助けられて、借入金返済条件の変更を受けながら次の事業を探しました。創業者の年齢はまだ、40歳代前半で、めげないこと、やめないこと、さらにあきらめないことを信条に頑張りました。 
 人脈の豊富なことが強みとなり、様々な案件が出てきましたが、現在の収益事業は、輸入アパレルのネット販売、知人・友人との共同事業である化粧品開発・販売、中国と日本との物流支援などとなっています。
 26年度の日本の重要施策として、創業の促進があげられ、25年度には創業補助金の新設など創業支援に関する予算が増額されています。創業のすすめは盛んになっていますが、創業は易く継続は難いことも事実です。欧米並みの開業率10%の目標も大事ですが、いかに廃業率を下げるかがより重要と思います。よりきめの細かい支援が必要となります。
(柴原廣次)

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