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少子高齢化に伴う人口減への対応

日本人が経験したことのない人口減少が始まっています。どの業種・業態においても共通の課題である従業員確保対策について考察します。

1.我が国の現状
 総務省の人口推計によると、2010年の国勢調査では、総人口1億2,806万人、生産年齢人口割合63.8%、高齢化率23.0%だったが、2060年には総人口6,674万人、生産年齢人口割合50.9%、高齢化率39.9%になるとされています。
 小生の関与している中小企業(産業用機械製造業、金属加工業、鉄筋工事業等)において、若年労働者の確保が難しく、従業員の高齢化が進み、技能の継承が危惧されています。大企業では技能承継への取組が真剣に行われていますが、中小企業ではその余裕がなく対応が出来ない事態となっています。
 建設業界では、震災復興と東京オリンピック開催に向けての需要増大で、人手不足が深刻な問題となっています。震災復興現場では、東京オリンピックの開催が決まってから、東京方面に引き上げる作業員が急に増えおり、復興現場は大変な事態に陥っているとのことです。そもそも、バブル経済崩壊以降、建設業の現場作業員は減少傾向を辿ってきましたが、民主党政権が「コンクリートから人へ」などといって公共事業を大幅に削減したことにより、ざっと700万人いた建設技能者は、2013年には338万人(総務省労働力調査)まで半減しています。
 バブル経済崩壊後の長引くデフレと円高により、経済活動は停滞し、製造業の海外進出も影響して、高い失業率が続いてきました。安倍政権が誕生し、アベノミクスによりデフレに歯止めが掛かり、円安が進行し、漸く前途に曙光が見えて来て、失業率も改善に向かっているようです。

2.外国人雇用の現状
 厚生労働省の発表によると、2013年10月末現在の外国人労働者数は717,504人で、前年同期比で5.1%増加しています。その原因は、政府が進めている高度外国人材、留学生の受入が進んでいることに加え、雇用情勢が改善傾向で推移している為と考えられます。国籍別では、中国が最も多く、303.866人(全体の42.4%)、次いでブラジル95,505人(同13.3%)、フィリピン80,170人(同11.2%)、ベトナム37,537人(同5.2%)の順です。在留資格別では、「専門的・技術的分野」の労働者が132,571人で、前年同期比6.7%の増加。また、永住者や永住者を配偶者に持つ人など「身分に基づく在留資格」は、318.788人で、前年同期比3.3%の増加となっています。
 近い将来、数十万人単位の人手不足が見込まれる介護の現場に対し、経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシヤ、フィリピンなどから介護福祉士候補が来日、3年間の研修後、2012年実施の国家試験に挑みましたが、外国人受験者の合格率は38%(日本人を含む全体では64%)と低く、マスコミに大きく取り上げられたことはご存じのとおりです。日本語習得が壁となっているようで、制度の改善が望まれています。
 因みに、在留外国人数は、法務省の発表によると、2013年6月末現在、205万人(中長期滞在167万、特別永住38万人)で、そのうち労働者とカウントされているのは35%という計算になります。

3.政府の考えている対策
 日本経済新聞によると、2014年4月4日に行われた「経済財政諮問会議」と「産業競争力会議」の合同会議で、安倍首相が「外国人人材の活用の仕組みを検討して頂きたい」と指示したとあります。外国人活用を巡っては、国内賃金の低下や治安への影響などから慎重な意見もあり、これまで研究者や経営者など高度人材を中心に受入体制を整えてきましたが、安倍首相は「移民政策と誤解されないような配慮も必要」と念を押しつつも、外国人材の受入に従来よりも積極的な姿勢を見せたとあります。
 議員より、家事分野の規制緩和の提案や、建設業などに限っている外国人技能実習制度の対象に介護分野を加える案が出されたとあります。家事分野では、今後働く女性が益々増え、共働き世帯による、代行のニーズが高まり人材不足感が強まるのは必至です。
 この会議が、省庁の垣根を越えて、一刻も早く政策を決め、実行に移されることを切望します。

4.おわりに
 小生は、バブル時代、建設関連工事業を営む会社の社長を務めていましたが、人手不足を補うため、ブラジルの日系人を雇用したことがあります。労働ビザでの入国(滞在5年以内)であったので、少しでも稼ぎを多くと、祭日・休日勤務・残業を希望、本当に良く働いてくれたことを思い出しました。
 島国の単一民族である我が国では、まだ外国人に対する偏見が残っていることは事実です。移民問題で苦しんだドイツの事例などを良く研究し、人口減少時代に国力を維持するために、外国人と上手く付き合って行くかの方策を考えるべきです。
 一方で、海外在留日本人の数は、年々増加2011年10月現在で118万人となっています。海外留学を希望しない若者が増えていると聞きますが、この急速にグローバル化が伸展している時代、人口減少時代に突入した日本の将来を考えるとき、若者が海外留学を通じて、外国への理解を深め、海外の国々との共存共栄を図る必要があります。
2020年の東京オリンピックを節に、胸をはって外国人と付き合おうではありませんか!
以上
(味香興郎)

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